Yumiko Mori

インターネット版【なるほどの森】Vol.48

モリ ユミコさん

タイトル


第48号      平成11年11月15日発行

・・・ ブーメラン ・・・

幼児、小学生のお母さんへ…家庭での理科実験の薦め


総「やっぱりだめだよ。すぐにぶつかっちゃうよ」
母「部屋の中は狭いからね。公園へ行こうか」
6才になった総は、家の中でブーメランを飛ばしてみましたが、物や壁にぶつかりうまく戻ってきません。
そこで、お友達の廉(れん)君をさそって、近くの公園へ行くことにしました。

総「ここなら広くていいよね」
母「ほら、いろんなブーメラン作ってきたよ。どれがよく飛ぶかな?」
総「僕、これがいい。廉君も好きなの取って」
廉「僕、これがいい」
二人とも羽が3つあるタイプのブーメランを取りました。
母「ふーん。それを飛ばすのはちょっと難しいよ。うまく投げないと戻ってこないよ。 こっちの方が簡単だよ。 ほら、こうやって・・・」
お母さんはブーメランを絵本の上にのせ、棒でチョンと押し出します。
するとブーメランはくるくると回転しながら戻ってきて足元に落ちました。
母「ほらね。ちゃんと戻ってくるでしょ」
総「僕のだって戻ってくるよ。見ててね」
総ちゃんがブーメランを投げると後ろの大きな木にひっかかってしまいました。

廉「あーあ。のっかっちゃった」
総「大丈夫。お母さんが取ってくれるよ」
母「・・・」
廉「僕もやってみるよ。見ててね」
廉君はなかな か上手です。もう少しでブーメランをキャッチできそうです。
総「僕も、もう一度!!」
総ちゃんは投げるやいなや、ブーメランを追いかけます。
母「おいおい。ブーメランを迎えに行くなー」


用意する物

古はがき1枚
はさみ
セロテープ
菜箸1本(鉛筆でも)
絵本1冊(堅い厚紙で作られたもの)
用意する物



ブーメランの作り方

   所要時間 30分

  1. 古はがきをたて半分に折ってから切る。

  2. 切ったものを、それぞれたて半分に折る。

  3. 図のように重ね、角を丸くする。

  4. セロテープでとめる。
    ブーメランの出来上がり。

    ブーメランの作り方1


ブーメランの飛ばし方

  1. 絵本を広げ左手で持つ。

  2. 絵本の上にブーメランを図のように置く。

  3. 箸でブーメランを前方へ押し出すようにたたく。

    ブーメランの作り方2

ブーメランの作り方3

★古はがきを右図のような形に切り、左手こぶしの上にのせ、右手の指ではじくと、くるくるとよく回りながら戻ってきます。

★投げてキャッチできるブーメランを作りたいときは下記の本を参考にして下さい。

「おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル」(東京書籍) 左巻健男編著
「子どもにウケる科学手品77」(講談社) 後藤道夫著



参考文献 手づくりおもちゃ大図鑑(大月書店) 菅原道彦著 より
不思議な科学実験室・物理編(HBJ出版局) J.P.ヴァンクリーヴ著より
おもちゃの科学 1(日本評論社) 戸田盛和著より

子どもは、なぞ解きのために遊ばない

 ブーメランはそれ自身が回転しつつ、大きく回って戻ってくるという動きをします。 どうして戻ってくるのか、とても不思議です。 地球も同じように自転しながら太陽のまわりを回っています。 まるで大きな大きな独楽のようです。 ブーメランのなぞが解けたら地球の動きも理解できるのでしょうか? 大人はついつい子どもに「どうしてだろうね?」と問いかけたりしてしまいます。 けれども難しい理論はわからなくても地球はちゃんと動いてくれるし、ブーメランを飛ばして遊ぶことは充分に楽しいことなのです。


発 行 者森 裕美子(神奈川県逗子市)
カ ッ ト緒方 美津江
HTML作成・管理久米 宗男(大阪府交野市)

Copyright © 1999 Yumiko Mori