フランス，パリ市におけるドバト捕獲法の一例

久米宗男（神奈川県）・杉森文夫（山階鳥研）・中村文夫（日本配合飼料）

山階鳥類研究所応用鳥学集報　Vol.3, No.1, p.17-18

　この捕獲は，捕獲用のネット及びそれを収納する箱と，先にゴムをかぶせた鉄製のロケット5本及びその発射部から成る「バネ式ロケットネット」とでもいう器械（写真1，2）を使って行われた．
　捕獲場所が決まるとまず餌をまいてドバトを集めておく． それとは別に，ネットをきちんと箱に収納し（写真3），固いバネの入った発射筒にロケットを入れて（写真4），器械をセットする．
　そして餌に群がったドバトがある程度集中したところで（写真5），ロケットのロックをはずし，発射（写真6，7）． 文字通り一網打尽に捕えたドバト（写頁8，9）を運搬用の箱に移して（写真10），一連の捕獲作業が終了する．

　この捕獲はパリ市によって，早朝2〜3箇所で行われ，一時パリ郊外の森の中にある飼育施設に収容したあと遠隔地に放鳥するという． また，捕獲を行っている時に集まってきた人々に対して，市の担当者等がドバト害の現状，駆除の必要性及びハトに餌を与えない等の啓蒙を行っていた．
　なおこの器械を考案，製作したラグランジュ氏によれば，フランスにおいてすでに特許をとっているということである．

写真1.　「バネ式ロケットネット」．	写真2.　同左．
写真3.　ネットの収納．	写真4.　ロケットのセット．

写真5.　餌に集まったドバトに 向って器械を構える．	写真6.　発射．
写真7.　ネットが放射状に広がる．	写真8.　見事に一網打尽．
写真9.　ネットに捕えられたドバト．	写真10.　運搬用の箱に移す．