和歌山県広川町「稲むらの火の館」見学記

往路

　車で自宅を午前9時過ぎに出発。交野南I.C.から第二京阪・阪和道路経由で湯浅御坊道路の湯浅I.C.へ。約2時間で「稲むらの火の館」駐車場に到着。
　行ってみてから分かったが、「稲むらの火の館」は「濱口梧陵記念館」と「津波防災教育センター」の2つの施設からなり、「津波防災教育センター」は有料だが、「濱口梧陵記念館」の見学だけなら無料でした。
　入口は「濱口梧陵記念館」だが、順路としては先に「津波防災教育センター」を見学し、帰りに「濱口梧陵記念館」を見るようになっていた。
　なお、同館の見学者は、平成19年4月のオープンから4年目になる先月（平成23年4月）17日に、来館者数10万人を超えたそうです。

国道42号線「広」の交差点を右折

写真の右手前が濱口梧陵記念館 正面奥が津波防災教育センター




住　　所：〒643−0071 　　　　　　　和歌山県有田郡広川町広671 　　　　　　　　　 Tel.0737−64−1760 　　　　　　　　　 Fax.0737−64−1761 開館時間：午前10時〜午後5時 　　　　　　　　　 （入館時間は午後4時まで） 休　館　日：月曜日・火曜日（祝日の場合は開館） 　　　　　　　　　 年末年始（12月29日〜1月4日） 入　館　料：一般 500円、高校生 200円、小・中学生 100円 　　　　　　　　　（濱口梧陵記念館の入館は無料） 電車の場合：JRきのくに線「湯浅」駅下車、徒歩約15分。 車 の 場 合：湯浅御坊道路「湯浅I.C.」から、西へ約10分。





津波防災教育センター

小学生用プリント

館内見取り図

　この地方の旧家を模した木造の「濱口梧陵記念館」の玄関を入り、やや左手にある廊下をそのまま真っ直ぐ歩くと、隣接する鉄筋コンクリート造り3階建てのの「津波防災教育センター」の入口へ。
　見学コースは自由だが、まずはじめに1階にある「3D津波映像シアター」で映画を鑑賞し、次にエレベーターで3階に上がり、後は階段を利用して降りてくるコースが一般的。
　小学生用の「稲むらの火の館、地震・津波防災学習」の場合、最後に体験学習（第10・11ポイント）が入る。
• 1階の奥にある3Dシアターは、
  
  1. ドラマ「稲むらの火」（約12分）
     
  2. 地震・津波体験映画「だから今」（約10分）

  　ドラマ「稲むらの火」は、史実に基づいた濱口梧陵の事蹟の紹介。そして、地震津波映画「だから今」は、地震や津波が襲った場合に備える防災ドラマ。3月11日の東日本大震災から1カ月半余りしか経っておらず、しかも偏光眼鏡をかけての3D映像。思わず涙が出てしまうような内容でした。
  
  
• 3階は「企画展示室」、当日は「稲むらの火の教科書」の展示と「スマトラ島沖地震・津波の概要」のパネル展示・ビデオ映像、「梧陵クイズコーナー」、「危険察知コーナー」等があった。
  

  パネル右・戦前の国定教科書

  「百年後のふるさとを守る」 （光村図書出版）

  スマトラ島沖地震・津波の概要

  危険察知コーナー

• 2階は「津波ライブラリー・ハザードマップ」「継承の道」「稲むらの火展示室」「津波クイズコーナー」等があった。

  津波ライブラリー1

  津波ライブラリー2

  ハザードマップ

  継承の道

  機械式−倍強震計

  稲むらの火展示室

  濱口梧陵の功績

  梧陵の防災精神を受け継ぐ

  津波クイズコーナー

  「稲むらの火」の概要

  「安政聞録」

  「A LIVING GOD」小泉八雲、「稲むらの火」中井常蔵

• 1階は「防災体験室」、「応急コーナー」「復旧コーナー」「予防コーナー」に分かれ、ゲーム形式で楽しく防災が学べるようになっていた。また、長い壁に沿った「津波シミュレーション」もあった。

  応急コーナー

  救出ゲームINAMURAレンジャー

  復旧コーナー

  津波シミュレーション

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空き缶と新聞紙でご飯を炊く

濱口梧陵記念館

　「津波防災教育センター」を出て戻ると、再び「濱口梧陵記念館」へ。途中の廊下にはこんな展示も。

　木造の和風建物の中には、濱口梧陵の生い立ちから晩年までをたどる展示室1・2、濱口梧陵にまつわる貴重な資料や関係書籍を集めた展示室3・4と土間シアターの他、多目的室、交流・談話室、茶室等のくつろぎスペースも用意され、ゆっくりと濱口梧陵の事蹟を学べるようになっていた。


安政聞録、絵図

安政聞録、部分

耐久社掲示

　序・義・勇・奉・公の章でたどる、濱口梧陵の生涯

序／七太・儀太の章

義／儀太郎の章

勇／儀兵衛の章

奉／儀兵衛の章

死して余栄あり

　土間シアターでは、映像「濱口梧陵」が随時放映される。また、多目的室には、3月11日に起こった東日本大震災の新聞記事等の展示やおみやげコーナーがあった。なお、濱口梧陵（儀兵衛）は「ヤマサ醤油」の7代目当主でもある。

土間シアター

東日本大震災の新聞記事

おみやげコーナー

　 交流・談話室および廊下では、小学生の体験学習コーナーが設けられていた。

グラグラくんコーナー

トイレ作りコーナー

庭から見た茶室（左奥）と交流・談話室（右）

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濱口梧陵と歩く散策マップ

濱口梧陵史跡散策

　「稲むらの火の館」の見学を終え、「濱口梧陵と歩く散策マップ」を手に、広川町内の濱口梧陵の史跡を訪ねるため、広川町内を散策した。
　散策はほぼマップの案内に従い、「稲むらの火の館」→「広川町役場・稲むらの火広場」→「感恩碑」→「広村堤防」→「耐久中学校・濱口梧陵銅像」→「濱口梧陵墓」→「広八幡神社・濱口梧陵碑」→「稲むらの火の館」と回った。
• 「稲むらの火の館」→「広川町役場・稲むらの火広場」
  　途中の民家の窓や壁には「避難道の行き先表示」の看板、電柱には「その場所の海抜高表示・津波に注意」の看板があった。また、港近くの防潮門の扉や壁にも「高台へ避難」の文字。さらに、防潮壁にも「稲むらの火」の絵が描いてあった。さすが広川町、防災教育が徹底している。
  

  民家の窓の看板	壁の看板（拡大）	電信柱の看板
  防潮門の扉	防潮門・反対側	防潮壁の絵画

• 「広川町役場・稲むらの火広場」
  　広川町役場は港近くの埋め立て地にあり、隣接する保健福祉センターや運動公園が整備され、新しい住宅もあった。（万一、津波に襲われたら・・・）
  　役場前は物語を再現した「稲むらの火」広場として整備されている。

  運動公園の避難指示	広川町役場	広川町町民憲章
  広場の説明板	「稲むらの火」広場	松明を持つ五兵衛の像

• 「感恩碑」」→「広村堤防」
  　広川町役場からもとの道を戻ると、濱口梧陵の偉業とその徳を讃えた「感恩碑」と「広村堤防」がある。

  感恩碑	広村堤防の説明板	広村堤防

• 「広村堤防」→「耐久中学校・濱口梧陵銅像」
  　広村堤防に沿って南に歩いていくと、耐久中学校が見えてきた。耐久中学校、濱ロ梧陵らが創設した私塾の耐久社を源とする中学校だそうだ。その校庭に、濱ロ梧陵の偉業とその徳を讃える銅像が建てられており、その脇には、中井常蔵が書いた「稲むらの火」のパネルも設置してあった。

  耐久中学校正門 奥に、濱口梧陵の銅像が見える	銅像の説明板	濱口梧陵銅像
  中井常蔵が書いた「稲むらの火」のパネル

• 「耐久中学校」→「濱口梧陵墓」
  　耐久中学校の校庭から道路に戻り、川の左岸へと橋を渡ると、角の「ポッポ保育園」の裏には避難用滑り台があった。
  　「濱口梧陵墓」は大変質素な普通のお墓。小泉八雲の「A LIVING GOD」の濱口五兵衛と違い、神として祀られることを固辞したというご本人の人柄が偲ばれる。

  避難用滑り台

  看板はでかいが・・・

  立派な説明板

  石碑

  質素なお墓

• 「濱口梧陵墓」→「広八幡神社・濱口梧陵碑」→「稲むらの火の館」
  　「濱口梧陵墓」から、物語「稲むらの火」で濱口五兵衛が村民を避難させた広八幡神社に向かう道中、右手（西側）の尾根には何基もの風力発電の風車が見えた。
  　広八幡神社の境内の北端にあるのが「濱口梧陵碑」。そして、散策のゴールは「稲むらの火の館」
  　広八幡神社はそれほど高い位置にあるわけではなく、町から神社に向かう道は緩やかな坂道だった。

  風力発電の風車群

  広八幡神社・一の鳥居

  広八幡神社

  濱口梧陵碑の入口

  碑の説明板

  濱口梧陵碑

  太陽電池付き 防災スピーカー

  一の鳥居を振り返る 町から神社に向かう道は緩やかな坂道

  避難標識

  海岸沿いの道路にあった看板