シジュウカラガンの国内繁殖

池で泳ぐ、シジュウカラガンの親子　 （1992.5.2 斎藤氏撮影）

　ここ富士桜自然墓地公園（静岡県富士宮市）に、今年もまた「シジュウカラガン」のヒナが姿を見せた。 これは先月中旬、同公園の職員が墓地内にある「熱原の池」でヒナを守るかのように泳ぐ親子を見つけたもので、今年、卵からかえったヒナは5羽。 一昨年と昨年かえった7羽の兄姉たちもすっかり成鳥となり、かわいらしい弟妹たちが両親と泳ぐ姿を遠慮がちに見守っている。
　渡り鳥であるシジュウカラガンがここに生息を始めたのは3年前。当時、渡りを前に母鳥が動物捕獲用のワナに右足を取られてケガをした。 職員らの手当てのかいあって元気になったものの、遠く北国への旅は無理だった。 以来、2羽の親鳥は春になると卵をかえし、育ててきた。